2050年の世界 見えない未来の考え方

2050年の世界 見えない未来の考え方 | ヘイミシュ・マクレイ, 遠藤真美 |本 | 通販 | Amazon

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VCという仕事を今流行っている限り未来に対して投資をしていくことが一般的である。どういった未来を創造したいのか、どういった未来がくると考えているのかについて常に問われるし、考える仕事ではあると思っている。

そのためこういった本はとりあえず手が伸びてしまう。もちろんこういう予想本系がどのぐらい精緻化というと判断に難しい場合も多いが、この本は突拍子もないことを書いているわけではなく信頼ができる。なのでおもしろ本ではない、マクロデータと現実的に起こりうる未来について書かれている。

こういった本を読む際に思うのが日本というテーマにおいてはあまり扱われないことだ。あまり日本の未来についてそこまで世界が真剣に考えてない、考える意味がないと思われている可能性が高い。

今回の本においても日本においては、後ろ向きな豊かな国。ということが徹底として書かれている。移民の問題についてはこの本の一つのテーマだが、日本においては移民はほとんど受け入れられていない。その上出生率も下がってきているので、基本的には高齢者が多い沈みゆく国家であるという印象で書かれている。

ネガティブなだけではなくもちろん、街が綺麗で礼儀正しく素晴らしいといういつもの褒め文句もある。またこれもいつも言われることだけど高齢社会が先進国の中でも一番進む国であり、その対処において世界がリードしているということを表している。そこは自分もOpportunityだとは思っている。スリーエスなどに投資をさせていただいているのもその理由ではある。

ざっくりこの本の書かれた未来を言うと、人口動態がベースとなり、中国の人口は2020年代にピークを迎えて、インドは2050年代にピークを迎える。その間にナイジェリアはずっと伸び続けるということを示している。

当たり前に人口というのは経済の母体となるため、こういった国々が経済的な主役を担っていくことは自明である。そのため中国・インドとよく言われている国々が経済的に着目が今後より当たるのは自明。そういった国が覇権をとっていく。

人口動態は運命である。(デモグラフィイズデスティニー )

そういった中でヨーロッパなどは一時期のEU構想の夢ほど理想論にはならず、ゆるやかな連合体として、日本と同じく停滞していくことが予想されている。

そうして一番21世紀を輝くのはアジア。アジアの時代ということはよく言われるがそれがデータで見てもわかりやすく伝わってくる。

今日本にいる身としても、そのアジアというビックテーマには分類されているはずなので、その分類の中で自分が何ができるかは考え続けようと思う。