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2050年の世界 見えない未来の考え方

https://amzn.to/46FPzao VCという仕事を今流行っている限り未来に対して投資をしていくことが一般的である。どういった未来を創造したいのか、どういった未来がくると考えているのかについて常に問われるし、考える仕事ではあると思っている。 そのためこういった本はとりあえず手が伸びてしまう。もちろんこういう予想本系がどのぐらい精緻化というと判断に難しい場合も多いが、この本は突拍子もないことを書いているわけではなく信頼ができる。なのでおもしろ本ではない、マクロデータと現実的に起こりうる未来について書かれている。 こういった本を読む際に思うのが日本というテーマにおいてはあまり扱われないことだ。あまり日本の未来についてそこまで世界が真剣に考えてない、考える意味がないと思われている可能性が高い。 今回の本においても日本においては、後ろ向きな豊かな国。ということが徹底として書かれている。移民の問題についてはこの本の一つのテーマだが、日本においては移民はほとんど受け入れられていない。その上出生率も下がってきているので、基本的には高齢者が多い沈みゆく国家であるという印象で書かれて

なぜ、空間は退屈か -資本による空間の均質化-

-都市の退屈な風景 どこにいっても同じような景色。同じようなビル。同じようなチェーン店。世界の景色が均一化しているなと思えるようになってきた。昔がどうだったかはわからない。日本の地方都市にいても、どこかすべて立川駅周辺に見えてしまう。そんなように思ったことはないだろうか。 最近海外などにいっても主要な都市というのは同じような姿になってきている気がしている。それはある種便利な感覚もあるが、旅という意味の味気無さっていうのも感じる。ソウルのビルも、NYのビルも、東京のビルも全て外観は違うが纏っている空間性においては全て同じように見えてしまう。 なぜそのような感覚をもってしまうのか、なぜ退屈に感じてしまうのだろうかと思いながらIVSで京都にいき、京都は少し普通の街ではないなってのは思いつつ、その本屋でたまたま出会ったのがこの本である。「いま、なぜ空間は退屈か」というものを見た瞬間に上記のような課題意識と合って購入した -資本主義の前景化に伴う“場所”の減少と、”非-場所”の増加 この本を読む全体のテーマ感として、人類学者マルク・オジェの空間論に焦点があると読んでいて感じた。2つの概

センスメイキング:データでなく文化を信じる

センスっていう言葉の意味が最近自分の中で重要度を増してきている感覚がある。昔からセンスがある人とかセンスがないとか日常的に使っていた言葉だけど、改めて今の時代はセンスが問われる時代だという認識がより増してきている。 以前下記のようなナラティブの重要性についてポストを書いたが、ポストモダンにおいて大きな物語が終焉した結果、何が絶対的な正解かっていうものは消滅してしまった。そのときに納得感をもった答えをだすために対話によるナラティブの構築が重要なのではないかということを書いたのだが、その納得感の醸成にはセンスというものがより重要になってくるのではないかと思っている。 ナラティブだけが人を動かす 〜スタートアップはなぜナラティブを紡ぐのか〜「ナラティブ」という言葉を耳にする機会がここ5年ほどでぐっと増えたように思います。 3日に1回程度本屋に出向いてはぶらぶらとしていますが、そうしている理由の一つが、時代のトレンドや社会の温度をぼんやりと掴むためだったりします。本屋は世相を反映しているので、売れている本はざっと目を通しています。(余談ですが、kaekaという伝え方のサービスに投資した大き

書評:力と交換様式〜交換が世界を動かす力である〜

書評と書くのはおこがましいけれども、あまりにも面白い本だったので少し引用も交えながら書いてみようと思いました。 これまでに記事にしてまでまとめたことがあるのは下記の"THE GREAT CEO WITHIN"だけな気がするけれども、この本も非常に素晴らしかったけれども、どちらかというと実践的なビジネス書としてはベストと思えるぐらい素晴らしかったです。 Great CEO Within2年前ほどにUPSIDERの宮城さんと投資直後くらいにご飯を食べてて、なにか良い本あります?みたいな話になり、それでオススメされたのがこの The Greatest CEO Within という本でした。実はそのときにKindleで購入していたのだけれども、あれから正直読めていなかったです。まあなんというか前編英語なので、気合がいるというかそこが難関で積読してました。そのごバタバタずっとしていたのですが、Kindleの本のリストを見るたびに読みたいな、読まなきゃな〜ということを思っておりましたが、IVSに向かう飛行機の中で何か読もうかとおもってリストを開いたときに目があったのでこれは読むしかな…What

2022年読んだ本

💡2022年に読んだ本の記録。特におすすめは☆してます ・聞く技術 聞いてもらう技術 いまやっているベンチャーキャピタルという仕事は"問う仕事"であり"聴く仕事"だなと思うことが多く、本屋で手にとった勢いで買って読んでみた。カウンセラーの立場から聴くコツを書いてあって実践できるものもあるなと思った。沈黙が大事ということと、焚き火が最高ということを学んだw ☆投資される経営・売買される経営 この下の三位一体の経営と同じくみさき投資をつくられた、中神 康議さんの本。経営書としては本当に絶対読んだほうがいいことしか書いてない。長期的に成長していける会社とは、起業家・経営者に求められる考え方とはっていうヒントが詰まった本 ☆三位一体の経営 資本コスト含めて投下資本に対する意識をあげていかないと成長でなく膨張している企業になるっていうのは目からウロコだった。また参入障壁でありEconomic moatに関しての記載も今まで読んできた本の中で一番わかりやすく納得した。その障壁のために呆れるほどのコストをかけるべきで、これは未上場でEquityで調達できる強さがあるし、