Shunsuke Nakaji

観光とは何か──“行かなくても良いのに行くことの意味"

3月に今の仕事をしていて初めてぐらい少しだけ長い休みをとって、ヨーロッパに観光に行った時に考えたことについて書いてみようと思う。GW前にギリギリ間に合ったので、ぜひ観光とか旅みたいなのをいく人たちに少し感じることがあれば嬉しい。 観光と旅 すごい自分はつまらない人間だなと休みを取ろうとして気づく。仕事に関してはやること、やりたいことはある程度出てくるのに、休みになったら自分のことでやりたいことが浮かばない。仕事では「目的→KPI→実行」が呼吸だが、私生活にその回路を適用すると空っぽだと気づく。行きたい国も、こだわりの趣味も思いつかない。セルフケアを忘れた人間。 どこもいきたいところがないなということに気づきどうしようかなと思ったのだけれども、途中から思考を変えることにした。旅行でどこかに行くことが目的ではなく、旅行自体を目的としたらいいのではないかと。そうすることで自分も納得できて、アムステルダム着・パリ発というものだけとって旅行に行くことができた。 何かを目的にしないと動けないのは若干今の資本主義的/ネオリベ的な価値観のように思える。その目的が何か経済的なものに結びつかない

パリ:観光と伝統と生活/ Ogata :JapanとParisの融合

パリは正直三度目だったのであんまり観光というよりは、半分生活っぽく過ごしたというと聞こえがいいが、半日ぐらいカフェで仕事をしたりする日があったりなど比較的ゆるく過ごした。かつ3度目なので初回ほどのピュアな感想が正直書きずらいぐらいには見てしまっている。 ただ6年ぶり?ぐらいに来たので、シャルドゴールに着いた時に、英語と中国語が至る所にあり中国の台頭を当たり前だけど感じた。その後Boltを呼び、ホテルまでの道中に若いドライバーからなんで日本はアメリカと仲よいんだ?あいつらやばいだろうみたいな話をずっとされて、中国となぜ仲が悪いの?みたいなことをピュアに聞かれ、対話の国だなーフランスと思いながら英語で早口でしゃべられて半分ぐらいしかわかんね、と思いながら雑談をした。 パリを選んだ理由としては、日本の国と目指すべき対象というものが近くにあるから中国やアメリカみたいなのがよく語られるが、実はそういうわけではないのではないか?ということを以前から考えていたが、じゃあどこだ?と言ったときにフランスやイギリスみたいな過去覇権国家だったが、今は違う国たちの立ち振る舞いの方が近いのではないか?と思っ

プラハ:神秘と平準化の町

神秘な街プラハ 正直この街は、感動と落胆が入り混ざったことを今回の旅行を通じて一番感じたところだ。 その感動と落胆が入り混ざるのは観光というものが資本主義として取り入れられていった先を感じたからであると思う。一言で言えば観光都市であった。 街自体は中世の街並みを残していて歩いているだけでタイムスリップしたような気持ちになれるぐらいの感覚がある。そのぐらいやはり特別な街であったように思える。そういう意味においては非常に観光として良い面を存分に持っている。一方で自分がひっかかたのは、アムステルダムの後に行ったからなのかもしれないがその土地の匂いというものがあんまりしない感じだった。これだけ個性的なのに生活が見えない。まあ観光都市だから仕方がないのかもしれないが、、 街をあるけばひたすらにお土産屋さんがあったり、みたことあるような同じような商品などがずっといろんなところで売っている景色が広がっており、世界的にも美しいしヨーロッパからも観光客が絶えずくるからなのかもしれないが、なんというかファストな雰囲気が自分の中ではこの街からずっとしていた。 自分が好きそうな、錬金術の研究やゴ

アムステルダム:生活を感じられる街

特にオランダに行きたかった訳ではないけれども、とりあえずトランジットがない国へいきたかったということで、オランダへの直通と、同じ場所から帰りたくないという意味において、パリから帰るというルートだけとって、仕事が忙しく、ほぼ何の下調べもせずについたアムステルダム。 結論から言うと、一番独特の文化というか生活を感じ取れたのはこの国だった。初めてだったこともあるかもしれないが、もう一度訪問したいし、久しぶりに住めるような国・都市だなと感じた。 まず街を見て思うのは、自転車大国であること。コンパクトな街であることがさらにそれに適した交通を産んでいる気がする。元々川を堰き止めて作ったダムを拡張して街ができていることも街の独特さを作る要因なのかもしれない。 東京も昔は水の街だったように、運河が町中に整備されているようなもののも異質性があり、その土地らしさということを感じることができた。昔の国や都市の発展において、こういった物流のための水というのは非常に重要だったんだろうなと思いを馳せる。モータリゼーション以前の時代においてはもっと自然と近かったのかもしれない。 街を歩いていると自転車

スタートアップという記号

先週末に島根に行ってきた。山陰合同銀行さんが中心となって開催していたごうぎんフェスに行ってきた。島根には初上陸だったが、その知らない土地・初めての土地に様々な東京のスタートアップシーンの方々がいるのは新鮮だった。 イベント自体も非常に熱気があるもので、普段あまりイベント系はいかないが、大変行ってよかったイベントだった。まずネーミングが良かった。カンファレンスでも、イベントでもなくフェスとしたことでハードルの下がり方と、参加に対する心持ち・期待値みたいなものが程よく調整されている気がする。 下にいいるおじいちゃん警備の方が、イベント参加者じゃない方に説明しているのを聞いたときに、今日何やらフェスティバルをやってるみたいで・・っていう説明に個人的にはほっこりしたし、すごくネーミングがいいなと思った。フェスとか祭りみたいなのってなんか日本ぽさあるなあと。 イベントにおける強制された偶然性 こういうイベントのたびに思うが、東京で会える人と島根であってどうするねん。というツッコミみたいなのはあると思うが、これは半分正解で半分不正解な気がしている。(もちろんごうぎんさん含めその場でしか会