2022年の担当新規投資の振り返り
月が変わるというだけなのに年末となるとせわしなくなりますね。PDCAサイクルをまわすとしたら年末は良いCheckとPlanが強制的に行われるので、それはそれで良い仕組みかなと思ったりなんかもします。
なので2022年の今年の自分のANRIとしての投資を振り返ってみようと思います。シードをやっているとその歳のトレンドっぽいものも受けるので振り返ったときに面白いかなと思ったり思わなかったり。
今年は担当としては新規投資は17件。既存追加投資は8件
まあ数としては多いですね。よりシードファンドだともっと投資しているところはあるとは思いつつ、少し多いなという印象。詳しい方はわかるとはおもうのですが、 この仕事において投資の数をすればいいという仕事ではないです。 一方自分の哲学としてあるタイミングからある程度投資の社数を増やしていくことを決めているので、このような投資社数になったのかなと。(なぜこういう投資方針にしてるはまた別の機会に)
新規投資については後ほど詳しく話すとして、追加投資についてもいろいろなストーリーがある。新規投資より追加投資のほうが個人的に難しいのではって思うぐらい常に考えながらやってます。ただ3号で投資をしていたところが心強く伸びている・成長しているのを見て自分もよりギアを変えていかないといけないなって常に正される感覚はあるので、追加投資も含めてシードからずっと付き合っていけるのは大変だが、やりがいがあるとは思います。
-新規投資先
・Crypto4社:Poppin 未公開3社
・人材転職・育成系3社:Gramn,カエカ,アルゴ式
・VR/メタバース・アバター2社:Flamers,アンビリアル
・コレクティブ/EC 2社:ランデブー,toiro
・エンタメ・コンテンツ1社:未公開1社
広義SaaS 5社:Appify,TAIAN,営業系未公開1社,Vertical系未公開2社
SaaSについてなんやかんや言われておりますが、シードとしても今年は一番数は多かったのはSaaS系でした。手前のCompsなどは落ちてはいたりしますが、 DXという流れはこの人材不足激しい日本社会においてはまず不可逆な流れではあると思うので今後も投資は続けていく と思ってます。
未公開なものが多いですが、結構Vertical系はまだまだ業界に負が大きいなというのをピッチを聞いていても感じます。TAIANのような結婚式場運営に関するSaaSなども確かな強いニーズを感じておりまだまだ伸び筋があると思ってます。一方よく言われるようにVCというビジネスモデルかrすると、 VerticalになればなるほどTAMについての指摘が入ると思います。これについてはうまく複線化していく必要があるなと思う一方、自分のシード投資としてはそのあたりについての仮説であり理解を起業家・チームがしていればシードで深く議論するべきところじゃないな という認識で投資はしております。(いずれぶちあたりますがシードでは振ってみないとわからないことも多いという自分の一意見です。ちゃんと判断しろという意見もごもっともだとは思ってます)
Appifyのようなものは今後も増えていくのかなと、メタSaaS的な。なにか大きなPFの変化が起きたときにその上でのサービスを提供していく流れはいつの世もかわらない。B向けの基盤システムが特にE-commerceではShoppifyを中心に変わりつつある波にのっている。他にもそういった投資テーマ分野はありそうな気はしている
Crypto4社:Poppin,未公開3社
これも今の時代を表しているかなと。今年はWeb3に始まり、FTXなど含めて本当かという謎をお残して年をしめようとしています。ただ一つ変化としては大きい一年だったのではないかなーと。シードにおいても後半は結構Crypto関連の投資相談が多かった気がしている。
かといってわかっている方には釈迦に説法だとはおもいますが、Tokenを活用しOwnershipという別の力学で事業を前にすすめていけるようなそういったビジネスは日本法人としては現状でずらいのが2022年の今なのかなと。
投資先の内容としては、ほとんど非公開なのでまだ詳しくはかけないですが、いくつか面白いプロジェクトに出資させていただくことができたと思います。まだまだこれからの分野だとはおもいますが、 個人的な意見としては必ず社会実装が進むエントリーポイントはあると思っていて、まだまだわからないがゲーム・POAP的なNFT・IPあたりはまあ今年見えたかなと。 まだまだ来年も面白いテーマとして自分は投資を進めていきたいなと思っています
人材転職・育成系3社:Gramn,カエカ,アルゴ式
このあたりはテーマとしてはある種普遍的ですし、 ”人材の流動性が低い”という一大テーマはこの国を蝕む取り組むべきもの だと考えてます。
そういった意味においては今後も人材ビジネス自体は伸びていくのではないかなと思ってはいますが、その中でもより転職の方法などは変わっていくという仮説の中でのGramn社はLINEとデータをより活用した転職方法を提案しており、ユーザーに関わるインターフェイスが変わった中でより伸びていくサービスはあるというところで応援しております。
またカエカ・アルゴ式については、リスキリング・アップスキリングという文脈の中で今後より強くなるニーズなのではないかと思って投資をしております。人生働く期間が長くなる中で今もつスキルを見直したり強化することはメディア等でよく話されているように今後もニーズとして強くなってくると思います。
カエカのような話し方・伝え方というのは万人がもつ課題の一つではあるなとおもいますし、アルゴ式のようなエンジニアのための学習・アップスキリングのようなものは今後もエンジニアが重要な職種であるのは長く変わらない中でより重要視されてくるんじゃないかなと思います
VR/メタバース・アバター2社:Flamers,アンビリアル
昨年ですかね、FacebookがMeta社に変更したことにより、各種メディアでも”メタバース”という言葉がもてはやされて、独り歩きしている感もありますがもちろん注目領域としては見ております。
一方まだまだ定義次第ですが SFやエンタメで描かれるようなメタバースというのはまだちょっと先なのかなと思ってます(ただ人類が想像して憧れる限りこの未来はくるんじゃないかなと個人的には信じてます) ただメタバースをインターネット滞在時間と読むと、Twitter・Discordやフォートナイト・APEXのようなものはもはやメタバースとよべるかもしれません。
ただその中でも現状のタイミングの入り方っていうのはあると思っていて、FlamersはVRアプリでマッチングをできることができるサービスなのですが、こういったコミュニケーション分野はあると思ってます。かつ日本っぽい文化の匂いがするのでよいなあと
またアンビリアルもアバター×カラオケと言う形で日本らしさのメタバースっぽさを体感してます。こういった分野はど真ん中メタバースというわけではないかもしれませんが、自分の中ではテーマとしてメタバースとして捉えて投資してみたりしました。
コレクティブ/EC 2社:RENDEZ-VOUS,toiro
EC全体はまだまだ伸びしろあるだろうというのは全員が思っているとはおもうのですが、 その一つのテーマの中にはコレクティブ性であったりエンゲージメントみたいなのがテーマになってくるのか と思います。その派生としてライブコマース・NFTなど含めてまだまだ伸びしろの仮説が多いところだなと思ってます。
RENDEZ-VOUS(ランデヴー)は、クラッシックカーの分散保有サービスで先日だした初回商品は1口数百万円という高価なものながら売り切れたりしております。こういったEC×CommunityのようなEC×証券化でもあるとは思うのですが、そういったテーマは今後も注目してみたいなと思ってます。
toiroはペットのD2Cですがこのあたりの熱量の向かう先としてもこのあたりのペット領域はなんとなく香りがしており、これからにも期待しております。
エンタメ・コンテンツ会社:未公開1社
今年はなんの年だったかというと、いくつもあるけど1つはエニカラーの年だったといっても過言じゃないのかなというぐらいやはりインパクトを残したスタートアップだと思います。エンターテイメントの力を感じたし、国外に届き得ることを証明された気がしています。そんな中で一社個人的には非常に面白い創業期のスタートアップに投資できた気がしております。これからが楽しみ。
一方YouTubeアニメのPlottなどに投資をさせていただいたりしながら、こういったエンタメ・コンテンツ産業とVCはすこし相性が悪いところもあることは承知です。再現性を求め、ROIの確からしさにひっぱられる資本の力学と、コンテンツにおける再現性というのはなかなかに難しいところもあるなと。ただそれでも爆発力は大きいし、日本における一つの強みではあるとはおもうので今後も投資は続けていきたいと思っております。
広義でいうとCrypto系にくくった何社かはこちらのカテゴリーと合わさるところはありますね(NFTなど)
以上今年の新規投資を主に振り返ってみました。来年も更に面白いスタートアップ・起業家に出会え投資できることを楽しみにしております。
このような仮説のもとディスカッションや調達相談したい方からのご連絡お待ちしております!
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