スタートアップ企業で働く人を増やすには

VCの仕事をしていて一番といってもいいぐらい相談されるのがいい人いないかという相談。どこまでいっても事業づくりは仲間集め。採用というものが課題のところが多いと思う

PMF前は逆に採用をしすぎないほうがよく5−6人ぐらいがオススメではあるが、踏み込んでみないとPMFするかどうかもわからないというのは正直なところかつ、やはり良い人が入ってくるだけでいろんなことが前に進むのでつくづくいろいろあるが人が一番大事という当たり前の結論に至ることが多い(一方逆効果もしかり)

そこへの支援をどう行うべきかという論点はあるものの今回考えたい問いとしては、どうすれば”スタートアップ企業に転職・就職してくれる人の母数を増やすことができるのか”ということについて考えてみたい

この母数が増えないと少し足元感じているのが、他のスタートアップから他のスタートアップへという転職の流動性は高いしそれはそれでよいなというのは思いつつ、より大きな母数自体(新卒でスタートアップや、中途で大企業や他の会社からの転職)というものを増やしていかないと全体の底上げにつながらないのではないかと思うからである

まあ直接的なアンサーとしては魅力的なスタートアップ企業を多く創造していく支援をする以上みたいな話なのかもしれないけれども、それ以上になにかないかを考えたい

*一方これはVCとしてスタートアップを盛り上げること・人口を増やすことが絶対的な正解という構造の中での発信・思想であり万人がスタートアップに転職すればいいというわけではないです(といいつつこの不確実性高い世の中で身につくべきスキルとして転職やキャリアリテラシーみたいなのは万人あげたほうがいいとは本当に思ってます)

課題感としてはざっくりいうと”①知らない・興味ない” ”②興味はあるけど踏み出せない” みたいなのがざっくりというと課題感なのかなと。雑な切り方だけどまあこれ以上細かく分解・深堀りするよりはアイデアベースっぽく自分の考えていることを記載することを主目的とするためこのぐらいで許してください。

そして思いにやはり ”②興味はあるけど踏み出せない” に対するアプローチの方法を考えたいと思う。知らない・興味ないのを需要喚起するのは大変かつ正直むくむかないはあるとは思うので、そこに対する施策というよりは興味もっている方を対象とした策を考えたい

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大学生時代にインターンでVCやスタートアップ企業で働く機会を増やす

これは自分がなぜ今スタートアップ業界に近いところで働いているかというと大学生のときにインターン・アルバイトとして関わっていたからという理由が大きい。代表と近く関われたりスピード感であったり空気感であったりというのはどれだけ言語化してもしきれないものがある。それに馴染むかどうかも含めては一度体験するしかない

その体験を通らずに大企業にまず入ってしまうとそこが常識の空気感になってしまう。そうなったときにやはり遠くみえてしまうスタートアップ企業というのがどういう空気かわからない(良いところも悪いところも多く存在する)

しかも副業とかで関われればいいけれども、エンジニアなど以外だと実際問題副業でそういったスタートアップに関わるのはなかなか難しい。なので大学時代にアルバイトやインターンとなると結構敷居が下がるのでいい

重複となるが一度その空気や会社の雰囲気を感じ取るかどうかは非常に大事。なのでそういったインターン・アルバイトとしてスタートアップで働く空気感をもっと醸成していくことが必要なのかもしれない(近年スタートアップのインターンやアルバイトって若干減っている気もするがどうなんだろう)

もし少ないかもしれないけどこれを読んでいる大学生で少しでも興味があるならスタートアップなどでバイトやインターンをしてみるのは非常にオススメ。しかし無給インターンなどは過去問題にあったように自分を安売りはしないほうがいい。一方絶対にその会社に就職しないといけないとか、スタートアップなんだから即戦力にしないといけなくて・・っていうようにあまり思いつめて考えすぎない方が良いとは思う。ぜひ一度大学生時代の考慮にいれていただきたい

スタートアップ転職などのイベントなどを盛り上げる

例えばCoral capitalがやっているようなStartup Aquariumや、Startup Career Fair 2023 などのようなイベントはすごく良いと思う。もう終わったけれどANOBAKA startup career fesなども(こういったイベントやって集客もとりまとめも大変なのにありがたい)

転職エージェントなどもありがたい存在ではあるが、結局その前段階の知らない・興味ないっていうところを感化させるためにはこういったイベントなどは重要になってくるのではないかとは思う

カジュアル面談といいつつ面接っぽくなってしまうこの世の中本当にカジュアルに話を聞ける場所っていうのは大切だと思っており、そうした場というのが意図的につくっていく活動というのは重要だと思う

一方では知らない・興味ない層と興味ある層の中間層にリーチをしていくことはビジネスの世界でもそうだけどターゲティングしているセグメントが結構劇的には動きづらい層ではあるので長期戦になることもあるとは思う。それでもこういったイベントが日本でもっと増えていくことっていうのはよりスタートアップなどの存在を身近に考えられることが出来ると思うので非常にオススメではある

もしこれを読んでいて少しでもスタートアップ業界への転職ある方はぜひ上記イベントなどに行ってみることを強くオススメする

スタートアップなどに転職するスクールプログラムをつくる(愚策かもしれない)

興味はあるけど、例えばスタートアップ特有の用語含めていろいろ言語が違う。言語が違うと文化が違う。それをいきなり他業界から入るのは、インターネットや書籍にいくら情報が落ちているからといって全てをキャッチアップしていくのは結構大変である(そのくらい自分自身で行なえよっていうのはごもっともな一方、必死に日中仕事しているとなかなか大変であることも事実だとは思う)

そうなったときにそれをまるっと学べるスクールみたいな解き方はあるのかもしれないとは思う。SaaS事業のメトリックスの話からPMFのようなスタートアップ概念の話から、なんのために資金調達しているのかの話から、スピードを優先する理由など含めて、このスタートアップ全体感というのを知識を仕入れる短期スクールなどは意味があるのかもしれない

そういったところで一通り知識を得た上でそういったものが面白いとおもえばスタートアップに転職していくだろうし、思えなければ転職しなくても良いと思う。何が言いたいかというとそういうことを学べる機会が、友人にたまたまスタートアップに転職した人がいるか、自分でインターネットや書籍などの情報から学ぶしかないというのは結構大変な可能性もあるなと個人的には思うので、愚策かもしれないがこういう案もあるかな

給料を変わらないようにする・SO含めての知識を上げるような提案をスタートアップ側がだす

一番やはり一旦大企業から転職するとしたら一番気になるのは給料あたりなのではないか。額面以上にやはり福利厚生や退職金などの将来価値を考えると考える必要性があるのはそのとおりだと思うし、なかなか難しい問題だ。(家族ブロックなどで諦めたという話もよく聞く)

ただ額面だけでいうと私達のようなVCのサイズが現状大きくなっていき、よりスタートアップに資金が流れることは現状は不可逆的な流れではあると思う(この数年のマーケットでどうこの成長の角度が変わるかは未知数だけれども)それに伴って下記の日経で出たような記事のように額面は今後も伸びていくのではないかと思う。

スタートアップ年収、上場企業を7%上回る 650万円
スタートアップの人材待遇が改善している。日本経済新聞社がまとめた2022年「NEXTユニコーン調査」では、回答企業の21年度の平均年収は650万円だった。上場企業の平均を45万円(7%)上回る水準だ。医薬業界やソフトウエア関連で好待遇を売りに、優秀な専門人材を狙う動きが目立つ。高い報酬を維持するには、獲得した人材をうまく活用した収益力向上が課題になる。NEXTユニコーン調査に回答した184社の

一方でもいきなりそれがコンサル・金融なみになることはないとは思うが、一方ソフトウェアエンジニアはその可能性は十分にあると思う。今でもスタートアップのほうがおそらく大企業で所属するより高いサラリーを貰えるソフトウェアエンジニアはたくさんいるのではないかと思う。ぜひどんどんそっちはもったいない可能性あるので流れてきてほしい

しかしかといって福利厚生など含めて考えるとなかなか大変だ。ただここからは近い世代(20−30代ほど)に対して率直に話をしたいことだけれども、本当にその会社だけで今後の不安定な社会・変化の激しい現在を生きていくことができるのだろうか。より今後は自分でキャリアをコントロールしていかないといけない時代になってくると思う。ただ一度転職してしまうと自分も20代で4社経験したけれども、転職をしていくことが基本的には慣れてしまう。これは良いことなのかは正直まだわからない。ただ自分の力で判断し生きていけないといけないという健全なプレッシャーはずっとかかっている。これは後述するキャリアリテラシーに近い考え方かもしれないけれども、こういった考え方は今後まだまだ働かないといけない自分たちにとっては重要な考え方なのではないだろうか

スタートアップ最高だとは思わない。でもそういった場で主体的に動く経験というのはいずれ転職して大企業に戻っても味として知っているか知らないかは結構重要だと思う。なのでぜひいろんな悩みもあるだろうけど、興味をもっている人は30歳前後ぐらいまでに動いてみてほしい。年齢で区切る時代はナンセンスだしいつでも新しいことは初められる世の中だとは思うが、構造的にその会社にいることが正となってしまう前に一度考えてみるというのはこのぐらいの歳までなのかなという感覚もある。ちょっと本題とそれてしまったけど、一度考えてみてほしい

またSOについてももう少しスタートアップ側から、理解促進してもらうことも必要なのかなと思う。もちろん転職する上で一番重要視してほしいのはなんの事業をやっているかだし、なんのミッションを成し遂げたいかだし、代表含めたどういう人達と働きたいかというのが一番であるべきだけれども、金銭的な報酬というのも考えていいと思う。そうしたときにSOは一番わかりやすいが、現在でも信託SO/有償・無償SOなど含めていろいろパターンがあり実際にどれぐらいの価値になるのかはわからない(まあ実際にどれだけ考えても実際の価値はわからないのだけども)

しかしあまりにもここの知識ギャップがありすぎると良くないとは思う。ここを解決できるサービスであり、スタートアップ側としてもわかりやすく説明していくことは重要だと思う(もう行っているところがたくさんあるのも知ってます)そしてOwnershipをもって主体的に会社に関われるきっかけとしてのツールとしては非常に良いものだと思うのでこういったものは大事に情報を伝播していっていただきたい

余談だけれども、最近投資をしていてエンジェルラウンド含めて最初の数千万円は前のスタートアップのSOを行使して売却したお金で自分でやってきましたっていう会社がポツポツでてきた。こういうのが素晴らしいエコシステムだと思う。これはVCのポジショントークではあるが、もっともっとSOによって、キャッシュを得る方が増えて、そしてそのキャッシュを使ってより起業したりNPOをつくったりでもいいので挑戦する人が増えていくことが世の中を良くしていく重要なエコシステムだと思っている

通称メガベンチャーにもっと入社してもらう

これは結構他力本願な感もあり、怒られるかもしれないけども一旦最初から本当に少人数のスタートアップに他業界から行くことは結構リスクをお互いに伴う可能性もある。スタートアップリテラシーというかそういったものがなく入ってしまうとお互いにミスマッチが起きてしまう。転職者側もこんなはずじゃなかったという選択をしてしまうこともあるとは思う(それでも一度踏み出してみると見えるキャリア・未来もあると思うのでいいとは思うが)

なのでそういったところを最初からスタートアップに転職するのではなく、メガベンチャー(IPO前・上場後ぐらい)などに入っていき、ネットワークも働き方のリテラシーも上げていくっていうのは一つ手段として個人的には大アリなんじゃないかと思う(そうするといきなり倒産や給料リスクも多少低減できると思う)

そうすることでいわゆるイケているスタートアップはどういうところなのか、またどういうジョブポジションが自分にとって向いているのか含めての選択肢の幅が実体感をもってつかめる

下手すると自分のシード期の投資先に転職するなみたいに受け取られてしまうと嫌だけど、そういうことを言いたいのではなく長期的な転職する人スタートアップ人口を増やしていくことが回り回っていろんなところに優秀な人材を増やしていくきっかけになるのじゃないかと思っているからである

キャリアIQ・キャリアリテラシーを上げる施策をうつ?具体策が少し思いつかないけど

最近人材系の会社で働いている友人と雑談しているときに出てきたワードなのだけどなるほどなあと思ったので取り上げてみる。いろんな方と面談している中でやはり自分がどういうキャリアを築いていきたいのかっていうのがはっきりしている人が少ないということが課題だっていうことをその友人は話していた。それを解決するためにはキャリアリテラシーを上げていく必要があるという話

偉そうに書きながらこれはなかなか難しい。自分自身を振り返ってもまず就職活動時にはそんなこと考えれていなかった。就職というよりは就社をしてしまったのが新卒時の振り返ったときの感想だ(後悔はしてないけども)

そこの最初の外資系の新卒時に上司から言われたことが自分のリテラシーを上げるきっかけにはなった。正確には覚えてないのだけれども1on1なのかどこかのタイミングで”あなたのキャリアについて私は深く興味はなく、それは自分自身で決めるもの。社内外で常にOpportunityを探して主張してくれたらそれが叶う手伝いは最大限します”みたいな発言があって、そっか当たり前だけど待ってるだけでは何も始まらないよな、Proactiveに動くしかないっていうことを社会人1年目で知れたのは良いきっかけだった

ただこういったのは外資系や転職するのが当たり前の業界に身を置くと結構考えさせられるタイミングがあるけど、ほかだと若干考えるタイミングが少ないのかもしれない。主張しないと転勤とか社内転職がないようなJob scope・Job descriptionが決まった中で働くJob型組織と、多くの日本企業が採用しているメンバーシップ型組織だとなかなかそういうタイミングがないのかもしれない

なのでいま自分が思いつく施策としては個人で転職しなくとも、転職サイトはなんこか登録しておいてたまーに四半期に一回ぐらい見て少しでも興味ありそうなものは受けてみるとか、エージェントの人とそういったものを相談してみるとかの機会をつくるっていう普通の施策しか思いつかない。ただこういった機会は意図的につくっていくことは重要だとは思う。自分がどういうふうに市場から評価されているのか、どういうオプションがあるのかっていうのは把握しておくことはキャリアを考える上では必要だと思う


横道にそれながらだけどなんとなく自分が考えていたことは言語化できたかもしれない。よりスタートアップの業界に色んな人が入ってきて多様性がうまれていくことがいろんなイノベーションにつながると思うし、人材の流動性をどんどん上げていくことがこの国にとっては今重要なことなのではないかと思うので個人の力で動かせるとは思ってないけれども何か参考になるといいなと思いばーっと書いてみた

最後に宣伝だけれども副業含めて情報を知るためにもとりあえずYOUTRUSTには登録して友達とつながることで思わぬ発見があるかもしれない。友人や近い人だったらざっくばらんに聞けると思うので、登録して知っている人とつながったりしてみてもいいのかなと思う

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ちなみにGPT3に聞いた答えはコレ:それっぽい!4とかはPodcastとか含めてもっとそういったスタートアップに行った人たちが良かった悪かったみたいなのを話せる場所とかあるといいのかもなとかはおもった