Shunsuke Nakaji

インターネットの都市化と地方における多様性の芽 ~コストの安さは多様性を生む~

地方で気づいた“コストの安さ”の恩恵 正月休みに、地元である香川の実家へ帰省する機会があった。昔からの友人の家をめぐりながら、あれこれと近況を語り合っているうちにふと感じたのは、「土地や物件のコストがこんなにも安い場所では、いろいろな挑戦ができるのではないか」ということだ。 実際、先輩の一人は古民家を活用した民泊を経営している。築何十年も経った建物を格安で借り、それをゆっくり自分好みに改装したらしい。都内であれば家賃や改装費だけでも相当な額になるが、ここ香川では驚くほど低コストで始められたという。 また東京から戻ってきて農家をやっている友達も同様に土地が余っていることに対してより拡大意欲を見せていた。周りの土地ももう使っていないところが多いので格安にて貸してくれているみたいだ。 こうした話を聞くにつれ、「コストの安さ」というものがビジネスの多様性を生む根源的な要素だと改めて感じた。リスクを小さく抑えられるからこそ、まずはやってみる精神が生まれるし、チャレンジを一度や二度失敗しても立ち直りやすい。首都圏では物価や人件費が高いゆえに、どうしても最初に大きな予算を組まないと動けないし

2025年の投資注目領域

自分の中でのペースメーキングとしても、2019年から毎年書き続けている注目領域。毎年だが1年のテーマはあまり変化しないので、3年ぐらいの予想が変化の幅としては面白いんじゃないかなとは思ってはいる。一方で見返すとこの年はDXのことを考えていたなとか、Web3.0一色じゃないかとかその年の雰囲気や空気を自分も見返せるので今年も書いてみる。過去作は。2019年、2020年、2021年、2022年、2023年、2024年。もう7年目。 前向きなことを書きたいが、2025年は世界的には不穏な空気が漂っている気がしている。その課題感で投資注目領域もでてくるが、世界としては良い方向性に向かっているのかは不安である。 個人的には2025年は下記あたりがトレンドとしてありそう。 ①脅威の拡大に対する対抗 ②AIの社会実装 ③コロナからの反動の対応 治安維持・防犯tech系 社会としては好ましくはないとはおもいつつ、ネオリベラリズムの結果の経済格差の時代に今は生きてしまっている。そのような時代背景もあるが闇バイト・トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)というものが去年に出てきてしまった。 202

2024年書いた記事の振り返り

2024年は週に1度文章を書こうと思った 多くの人がやるだろうが、自分も毎年なんとなく年末年始に自分の目標を立てる。そのときの1つが週1で文章を書く。そしてコンサバに見積もって30記事ほどは書く(1ヶ月2記事以上という)目標を立てた。 なぜ文章をこれだけ書こうとおもったかというと、この数年端的にいうと迷って考えているからだ。スタートアップ・VCという仕事が好きで20代の途中で飛び込み、その当時は自分より先に学生からVC・スタートアップ業界にどっぷりな人が同年代いる中で必死にもがいてきた。 しかしこの数年はそういった現状維持の活動だけでは、なかなか大きな変化を生み出すことは難しいのではないかと考えてきた。その理由とかはずっとメルマガやブログで書いてきたから省略するが、改めて投資やスタートアップなどを考え直さないといけないのではないかと数年考えている。 なので意識的にあんまりスタートアップやVCのイベントからはこの数年は特に遠ざかっており、自分で考えるということを大事にしようと改めて思ったときに、文章を書くことは強制的に考えることだから毎週書いてみようと思えた。 結果30記事・

2024年冒頭の投資仮説の振り返り

あっという間に1年が経ってしまう。早すぎる。今年何ができたのだろうかと自分を振り返る間もなく、12月も過ぎていくはず、、そんな中でも一応毎年続けている今年の冒頭の投資注目テーマに対しての振り返りを簡易に行いたい。 #36 今年振り返り:2023年注目している変化・投資領域2023年ももう終わりですねえ・・What's To Comeナカジnakajish 今年は投資が少なかった 今年はまずは自分の新規投資でいうと3-4社ほど(見込み含めて)というようになりそう。追加投資のほうがやはり圧倒的に多い1年となった。その中でも公表した投資先は灯白社のみかなと。 全体感みると2022-2023はクリプトへの期待、2023-2024年はAIへの期待みたいなのが込められているが、まあズレは今後もあるのだろうなと思えた。 こちらが今年の1月9日に書いた2024年の投資テーマ仮説について。この記載をもとに、今年を振り返って実際に投資できたかどうか、そういう現象が起きたかどうかについて考えてみたい。 #39 Requests for Startups 2024こんな問いに対して投資をしてみたい

スタートアップにおけるリビングデッド状態の是非とNEL社の脱却事例

VCやスタートアップ業界にいるとリビングデッドという言葉は聞いた事があると思う。定義自体は正直曖昧というか、決まったものはないがネガティブな言葉として使われる事が多い。今回はリングデッド状態をVCの立場からどう考えているのか、そして最後にいわゆるその状態になったところから脱出して投資先のNELにインタビューしたvideo podcastを紹介したい。 -スタートアップにおけるリビングデッド スタートアップとはなにかという定義については、以前#45 ”スタートアップ”とはどの企業を指すのかという記事を書いた際にも書いたが、こちらも定義は曖昧だ。一方で急成長を目指すということにおいてはやんわりと全員の賛同を得られているのではないかと思う。 では急成長モードではないスタートアップのことをリビングデッド状態というのかというとそうではない気がしている。例えばシードの段階などでは大体は急成長をしていないことがほとんどだ。また、事業を模索している創業初期などは成長などはない。ではリビングデッドという状態はどういう状態なのだろうか? -リビングデッドかどうか 定義問題には正解はない前提だ